「父への手紙」
kazuboです。
パソコンの曲作りのデータ整理してたら、数年前に作ったこんな詩が出てきた。
曲をつけようとしても何度も何度も手が止まった詩。
この詩に曲を付けられるには、もう少し時間がかかりそうです。
「父への手紙」
父へ
「おふくろがまだ退院できないから
20日まで泊まってて下さい」
初めて父へ書いた短い手紙
手元にあったコピー用紙の裏側に
「助かります、これをお守りに説明させてもらいます」
と施設の人が言う
初めて父に書いた手紙がこんな手紙になるなんて
最近日付が当たらなくなった
同じことを何度も何度も何度も聞いてくる
5分前の話さえも聞いてくる
スーパーで自分は凄いと大声立てる
夜中、長靴履いて家の中を歩いてる
夜中、風呂を沸かしてる
夜中、外へ出ていこうとする
夜中、何度も金庫をかき回す
全ての出来事話しても自分じゃないと怒りだす
父へ
「おふくろがまだ退院できないから
20日まで泊まってて下さい」
初めて父へ書いた短い手紙
手元にあったコピー用紙の裏側に
「助かります、これをお守りに説明させてもらいます」
と施設の人が言う
全てに父の名前をマジックで書いた下着を渡し、
「お願いします」と僕が言う
初めて父に書いた手紙がこんな手紙になるなんて
初めて父に書いた手紙がこんな手紙でごめんなさい
20日の夕方、迎えに行くから
ではまた。
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